当院では、大腸癌手術の多くを早期回復をめざしERAS管理に則った腹腔鏡下手術を行っています。これによって合併症を少なくし、入院のQOLを大きく改善し、入院期間も短くできます。
また、発見された段階で局所進行癌のため切除困難が予測される場合は、切除を可能にするため、最新の術前化学療法を施行し、腫瘍を縮小させ、積極的に切除を試みます。このように、切除率を上げ、再発リスクを減少させていると考えられる症例を私たちは数多く経験しています。切除不能を可能にしてゆく手技は、最近では conversion surgery と呼ばれ、学会でたびたび議論されています。以下に典型症例をお示しいたします。
2年前から血便、頻便。体重減少(3年で19㎏)にて受診。検査の結果、直腸癌が骨盤内を占拠し切除困難。狭窄もあり、腸間膜リンパ節転移が多発で大動脈周囲リンパ節転移も認めた。まずは横行結腸でストマ造設術を行い、術前化学療法(FOLFOXIRI+Bev療法(2週毎))(FOLFOXIRI とはレボホリナート、5FU、オキサリプラチン、イリノテカンの併用治療。Bevはアバスチン)を実施し、腫瘍とリンパ節を縮小させた後に開腹低位前方切除術(ハルトマン手術)を実施。術後2年4ヶ月再発なく外来通院中。
私たちは早期あるいは手術可能例ではERAS管理の手術を行います。一方で、切除困難に見える超進行癌であってもひるむことなく、切除の可能性を探るべく前治療を行い、どの段階の症例であっても決して諦めず、最善の治療を提供したいと考えています。
池田市、豊中市、箕面市、吹田市、川西市など近隣の方でお困りの方は、一度かかりつけ医に相談の上、紹介状を持参し受診して下さい。
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