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日常で起こりうる呼吸器疾患について

日常で起こりうる呼吸器疾患について

呼吸器疾患とは

呼吸器疾患は、呼吸器系に影響を及ぼす様々な病気や障害の総称です。呼吸器系は鼻、口、喉、気管、気管支、肺などから構成され、呼吸器疾患は、それらの臓器が機能不全を起こしたり、悪性疾患が発生することで生じます。
呼吸が困難になる、咳や喀痰が続く、胸痛が発生するなど、さまざまな症状が現れることがあります。

主な呼吸器疾患

日常生活で起こりうる呼吸器疾患の代表的なものとして以下のようなものがあります。

ウイルス感染

くしゃみ、鼻水、咳、のどの痛みなどの上気道症状が一般的です。体温が上がることもあります。
症状が悪化すると下気道や肺実質まで病変が広がります。新型コロナ、インフルエンザは治療ができるので、重症化リスクのある方は、早く診断することが重要です。

気管支喘息

気管支喘息は、呼吸困難、喘鳴音、咳、胸部の圧迫感などを引き起こす慢性の炎症性疾患です。
特定の刺激(アレルゲン、感染、喫煙、寒暖差、乾燥など)に過敏に反応します。気管支喘息は、発作がなく、症状がないときも、好酸球による気管支の炎症が続いており、吸入などの治療継続が重要です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは通常、喫煙や環境汚染による、肺の慢性的な炎症を特徴とする疾患です。吸い込んだ空気を吐き出しにくくなり、呼吸回数が増える労作時に顕著に症状を自覚します。また、炎症のため肺胞の壁が壊れて肺機能も低下します。主な症状には、労作時呼吸困難、咳、喀痰(痰)の増加、胸部不快感が含まれます。

肺炎

肺炎は細菌、ウイルス、真菌による肺の感染症で、気道や気管支を介して呼吸器に侵入した病原体に免疫が反応し、炎症が引き起こされる疾患です。発熱、咳、喀痰、胸痛、息切れなどの症状が現れます。

当院の呼吸器疾患の検査方法と治療について

急性呼吸器感染症については、喀痰や検査データから起因菌を推定し治療初期から適切な治療を行うよう尽力しています。
気胸や胸水症例については、トロッカーカテーテル挿入による治療を施行、原因不明の胸水症例については局所麻酔下での胸腔鏡検査を実施しています。
呼吸不全については、高流量鼻カニューレ(ネーザルハイフロー)や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を積極的に導入し安全で苦痛の少ない呼吸管理に努めています。
肺癌に代表される胸部腫瘍については、胸部X線・CT・気管支鏡検査などによる迅速な診断と、切除不能例に対しては放射線治療・化学療法を施行しております。

呼吸器疾患にならないためにできること

呼吸器疾患は、健康的な生活習慣と感染症予防対策を組み合わせて行うことで一部は予防可能かも知れません。

喫煙を避ける

喫煙は肺や気管支の炎症を引き起こす主要な原因です。喫煙者は喫煙をやめることを検討し、非喫煙者は禁煙環境を維持しましょう。

予防接種

新型コロナワクチン、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることで、感染症にかかるリスクを低減できます。

手洗い・うがい・マスク

手洗い・うがいは感染症予防の基本です。風邪やインフルエンザにかかった人はマスクをして周囲に広げるリスクを低減しましょう。

健康的な食事、口腔衛生

バランスの取れた食事を摂り、間食を控えカロリーを過剰に摂取することは控えましょう。食後は歯ブラシ、歯間ブラシなどを使用し、口腔内を清潔に保ちましょう。

運動

一日に数回大きく息を吸い込み、背部の張りを感じるように胸郭を広げましょう。酸素を取り込む有酸素運動をする場合、浅い呼吸を多めにするよりも深めの呼吸を意識しながら運動しましょう。

アレルギー・乾燥対策

アレルギー症状を自覚される方は、アレルギーの種類によって対策がかわるため、医療機関でアレルギーの検査をしましょう。空気清浄機・加湿器を使用する場合、シンプルな構造のものを使用しましょう。掃除や部品の入れ替えが簡単にできないものはカビなどが繁殖する原因になります。

ストレス管理

姿勢をただして椅子にすわり、目を閉じて腹式呼吸を一定時間しましょう。目をとじながら大きくゆっくりとした呼吸を行い、お腹と背中のどの部分がうごいているのか自覚しましょう。腹式呼吸は鳩尾(みぞおち)から下の部位をふくらませ、特に背部の肋骨の張りを自覚すればお腹だけがポッコリ膨らむことはありません。腹式呼吸で迷走神経が優位となり、落ち着いた状態になります。

よくある質問

Q.夜間や早朝に咳が出るのですが、どんな病気が考えられますか?

A. 布団に入った直後はほこりなどが舞い上がります。しばらくしてせき込む場合アレルギー性の咳の可能性もあります。また、寝ているとき、胃食道接合部の括約筋が緩むタイミングがあり、胃酸の逆流で食道下部の咳受容体が刺激される胃食道逆流による咳嗽の可能性もあります。喘息が関与する咳は早朝にでることもあります。また心臓などの疾患により咳が生じることもあります。

Q.かわいた咳が一カ月近く続いているのですが、どんな病気が考えられますか?

A. まず医療機関で画像検査などをする必要があります。肺炎の有無、感染症の有無で鑑別にあがる疾患はかわります。肺炎がない場合、アレルギー性咳嗽、胃食道逆流による咳嗽、喘息関連などが鑑別にあがります。肺炎を伴う場合、比較的ゆっくりとした進行の疾患が考えられ、間質性肺炎、肺気腫、肺癌などがあり、感染性のものであれば結核、非結核性抗酸菌症、真菌(かび)感染などが鑑別にあがります。いずれも当てはまらないとき、肺胞蛋白症など特殊な疾患などを鑑別する必要があります。

Q.坂道や階段を上ると、すぐに息苦しくなるのですが病気でしょうか?

A.労作時に息切れ、つまり運動で増えた血流を酸素化できない状態と考えた場合、血流の酸素化に関与する臓器、肺、心臓、血液(貧血など)の疾患を疑います。その他、間接的に関与する腎疾患、消化器疾患、悪性疾患などの鑑別も場合によって必要になります。

Q.急に胸が痛くなり、痛みが続いています。肺や心臓の病気でしょうか?

A. 痛みの程度、持続時間にもよりますが、心筋梗塞や気胸など緊急性が高い疾患を鑑別する必要があり、早急に医療機関を受診しましょう。

Q.血の混じった痰が出るのですが、どんな病気が考えられますか?

A. 感染性のものとして結核、非結核性抗酸菌症、真菌症などが鑑別にあがります。非感染性のものとして肺・気道の腫瘍、気管支拡張症などの気道の疾患、蔓状血管腫・動脈瘤などの血管性の疾患などが鑑別にあがります。また抗血小板薬・抗凝固薬など薬剤誘発のものがあり、薬を止める前に医療機関を受診する必要があります。

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