リードレスペースメーカーとは、従来の皮膚の下に植込むペースメーカーとは違い、カテーテルを用いて心臓内に本体を留置するものです。
当院では2024年度からリードレスペースメーカーの植込みを行っています。従来型のペースメーカーと比較して、治療時間や入院期間が短いことなどが特徴です。
ペースメーカーの適応・種類
本体を皮下に植込む
リードを心臓内に留置する必要がある
本体をカテーテルを用いて心臓内に留置する
リードレスペースメーカーのメリット
リードがなく本体が心臓内へ留置されているので、体外からのペースメーカー植込みは分からず、美容上、利点がある
リード線がないため、感染のリスクが低い
右の足の付け根の穿刺のみで留置が可能であるため、大きな傷口が残らず、術後早期に日常動作を行うことができる
経静脈ペースメーカーの植込みより、手技時間が短くなることが多い
リードレスペースメーカーは、従来の経静脈ペースメーカーと比較してメリットがあります。ただ疾患によって経静脈ペースメーカーのほうが有利なこともあるため、個々の適応については主治医に相談してください。
リードレスペースメーカーの留置は入院での加療が必要です。植込み前日に入院いただき、治療後は数日で自宅退院が可能です。
なお、当院では基本的に全例で全身麻酔下に植込みを行っているため、手技中の疼痛が緩和されます。
①足の付け根に局所麻酔を行います
②太い血管(静脈)からカテーテルをいれます
③カテーテルで心臓までリードレスペースメーカーを運び、右心室の壁に固定します
④動作確認後、カテーテルを抜きます
息切れ症状などがあれば、かかりつけ医に相談してください。
留置されたリードレスペースメーカー
Q.リードレスペースメーカーは、高齢者でも利用可能でしょうか?
利用可能です。高齢の方のほうが適応としていいこともあります。
Q.留置の際の手術に危険性はありませんか?
リードレスペースメーカー留置の手技に注意しなければならない合併症として、心臓の壁に穴があく心タンポナーデがあります。
当院ではそのリスクの評価のため、術前にCTや心エコー検査を行いリスクの評価を行っています。
Q.入院が必要とのことですが、入院期間はどの程度でしょうか?
標準的な入院期間としては5日程度になります。
Q.リードレスペースメーカーは永続的に動き続けるのでしょうか?(寿命はありますか?)
リードレスペースメーカーの動作の状態によりますが、一般的には10年前後で電池残量が低下します。
低下した場合は新たに留置を行います。
Q.植え込み後に心臓から外れることはないのでしょうか?
心臓から外れることがおこる可能性はあり、植え込み直後が多いです。それが起こっていないかどうかを入院中に観察します。
Q.植え込み後に日常生活で気を付けることはありますか?
リードレスペースメーカーは体外に機械が露出するわけではないため、生活においての運動制限はありません。
ただし、ペースメーカー留置された患者さま全員の一般的な注意点があり、術前に説明を行っています。
Copyright(C) Ikeda Municipal Hospital Rights Reserved.