近年、高齢化社会の進展に伴い、独居老人や老老介護の問題が多く存在します。このような状況下において高齢者が脊椎疾患に罹患し、ADL低下をきたすことで介護が必要となり、これまでの生活が破綻してしまうという状況が池田市周辺の北摂地域(箕面市、豊中市、吹田市、川西市)においても多く見られております。
脊椎変性疾患は、椎間板の変性、椎体・椎間関節の変性、靭帯肥厚などが生じ、脊髄あるいは神経根を圧迫し、症状が出現するものです。多くの場合は加齢などによる変化ですので、椎間板ヘルニアを除いて一般的には自然治癒の見込みは少なく、最終的に手術加療が必要となる可能性があります。特に神経麻痺による筋力低下が進行すると不可逆的になり、そこで手術をしても、元のADLまで改善する見込みが低く、後遺症を残す症例も多く存在します。
当院では脊椎外来を設けており、前述の症例に対して精査の上、必要な場合には手術加療を、また手術が不要な場合においても、手術適応や今後の治療方針について、患者さんならびにかかりつけ医とスムーズに連携できるように、適切なアドバイスをお伝えさせていただきます。
頚椎症性脊髄症
椎弓形成術後
腰椎変性すべり症
腰椎固定術後
頚椎後縦靭帯骨化症
椎弓形成+固定術後
また、高齢化社会となり骨粗鬆症の患者さんが急増している昨今、骨粗鬆性椎体骨折はコルセット+安静だけの保存的加療では椎体骨折が続発し、患者さんのADL低下に直結する可能性が高いとされております。また、椎体骨折をきたすような患者さんの中には、椎体骨折を受傷後に偽関節となり、遅発性に脊髄神経を圧迫し、麻痺が生じる症例もございます。
当院では、骨粗鬆性椎体骨折をきたし、偽関節をきたすことで腰背部痛に悩まされている患者さんに対し、経皮的に椎体形成術を施行しております。ペンの先程の1cm足らずの創2か所で圧潰、偽関節化した椎体を整復し固定する手術であり、術後翌日より疼痛が消失し、速やかに離床が可能です。また、併せて総合病院ならではの種々の検査を行った上で最適な骨粗鬆症治療も相談させていただいております(腫瘍や内分泌疾患が原因であることもございます)。
術後についてはご紹介いただいたクリニックの先生にフィードバックで再紹介させていただき、当院と連携を取りながら経過をフォローさせていただきます。
池田市、豊中市、箕面市、吹田市、川西市など近隣の方でお困りの方は、一度かかりつけ医に相談の上、紹介状を持参し受診して下さい。
経皮的椎体形成術
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