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看護部

大腸がん ロボット支援下手術

大腸がん ロボット支援下手術

消化器外科 下部消化管グループ

 当院は「大阪府がん診療拠点病院」の指定をうけ、地域の皆様により一層充実した「がん医療」を提供すべく地域の先生方と連携しながら診療しております。
 われわれ消化器外科領域においては日本外科学会、日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会の認定施設、さらには腹腔鏡下大腸切除研究会の施設会員として個々の患者様に最適な治療を提供することを心がけております。
 ここでは、年間約100例の手術実績である大腸がん手術に関して紹介させて頂きます。
 市立池田病院 消化器外科の下部消化管グループは太田博文(副院長)、宗方幸二(副部長)、松浦雄祐(副部長)で担当しております。

 当グループの最大の特徴は、大阪大学関連50施設の中でも特に、術後早期回復プログラムであるenhanced recovery after surgery (ERAS, イーラス)を軸とした周術期管理を実践していることです。ERASは外科医だけではなく麻酔科医や看護師、理学療法士などチーム一丸となって取り組んでおり、周術期における患者の「笑顔」にこだわって診療しております。

 ERASは様々な因子からなりますが、そのひとつの因子として低侵襲手術が挙げられ、市立池田病院 消化器外科では最先端手術である手術支援ロボットの最新機である『da-Vinci(ダビンチ) X 』を用いた手術(大腸がん(結腸がんおよび直腸がん)、胃がん)を保険診療で提供することが可能です。

 開腹手術と比較して腹腔鏡手術は一般に低侵襲であり、その技術進歩にともない、大腸がん手術のアプローチ方法として近年、増加傾向です。
 ロボット支援下手術は、低侵襲である腹腔鏡手術の利点に、「精密性」「安定性」が加わったものとして近年、注目されている手術方法です。
 日本では2018年から直腸がんに対して、2022年から結腸がんに対して保険収載され、ロボット支援下手術を導入する施設は増加傾向にあります。国内外の報告では、直腸がんに対するロボット支援下手術は腹腔鏡手術と比べて劣らず、術後合併症、特に排尿障害・性機能障害の低減の可能性や、がんの再発率低減につながる可能性が示唆されています。

 腹腔鏡手術では鉗子(手術中に操作する器械)を「人」が持ち、「人」が操作し、操作する鉗子は直線的な動きとなり特に、直腸の手術においては可動域の制限が生じ、外科医の高度な技量が求められます。

 一方、ロボット支援下手術では鉗子を人ではなく「ロボット」が持ち、それらを人が離れた場所から操作します。人の操作は、手ブレ除去などのコンピューター制御がなされ、「ロボットのアーム」が命令通りに動きます。ロボット支援下手術の大きな特徴は、鉗子の先端に人間の手関節以上の可動域を有した「関節」が付いており精密で繊細な動きが可能なことです。

 従ってロボット支援下手術は、「腹腔鏡手術の長所全般」+「緻密性」と「安定性」を発揮し、高い根治性低い機能障害に貢献する可能性があります。

 ロボット支援下手術の短所は、通常の腹腔鏡手術の短所に加えて「触覚がない」ことです。

 触覚がないため視覚に頼らざるを得ませんが、この短所を補助するように、ロボット支援下手術では3Dフルハイビジョン内視鏡を用いた高精細3次元視野で「安全に」手術を行います。

 以上のように、ロボット支援下手術を含め当科の取り組みについて説明しましたが、病状や状態によって患者様それぞれがおかれている状況は異なります。従って、ロボット支援下手術が必ずしも「最適」とは限りません。それぞれの病状や治療方針に関しては十分に検討し、患者様御自身はもちろんのこと、患者家人も納得のいく最適な治療を提供できるようにいたします。

 年間5000例の手術件数を誇る大阪大学関連施設の中でも、最先端のロボット手術エビデンスに基づいたERASを主軸とした大腸がん治療が可能なのが市立池田病院 消化器外科の最大の特色になります。より良い「がん診療」を今後も追及していくにあたり、地域の先生方の御協力なしには不可能であり今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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市立池田病院 072-751-2881