前立腺は骨盤内の最も深い位置に存在します。 そのため 、 腹腔鏡下手術では開腹手術に比べてより良好な視野でのきめ細かな手術が可能でした 。
ダビンチサージカルシステムは 、低侵襲性という従来の腹腔鏡下手術の利点を保持した上で 、以下のような利点が追加されます 。
三次元の拡大視野
高画質な3D画像やズーム機能により従来の手術では見えにくかった細かい血管や神経、組織の膜構造が確認できます。
安定した緻密な操作
ロボットアームの様々な形状の鉗子は、人間の手と同等以上の可動域があり、手ぶれ補正機能があるため、細かな作業がより正確に行えます。
身体への負担が少ない
小さな皮膚切開での手術で、キズの大きさは腹部に鉗子を挿入するための8–12mm程度です。
また、一般的な従来の腹腔鏡下手術に比べ、手術時間は短縮され、3時間程度となります。
転移のない限局期(T2以下N0M0)の比較的早期に発見された前立腺がんの患者さまが主体です。
年齢は75歳以下を目安としますが、高齢の方で期待余命が10年以上見込まれる場合は手術の対象になりうると考えます。
ロボット支援腹腔鏡下手術では、頭低位(頭を25–30度下げた姿勢)と呼ばれる特別な体位で手術を行います。未治療の脳動脈瘤や緑内障をお持ちの方につきましては、患者さまと相談して対応を決めていきます。
患者さまを頭低位にして手術を行うため、眼圧の高い方は適応にならない場合があり、手術前に当院眼科を受診していただきます。
また、骨盤内手術の既往のある方、血液凝固異常など出血傾向の強い患者さまも適応外となる場合があります。
手術前に全身状態を十分に精査して手術適応を決めていくため、患者さまが希望されても手術適応にならない場合もありますのでご了承ください。
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