胃がん治療ガイドラインには、胃がんの進行度別に基本的治療法が提示されています。
今回は、胃がんに対する代表的な以下の3つの治療法について説明させていただきます。
内視鏡治療は、胃カメラで胃がん病変部分だけを胃壁から削り取って切除する治療法です。
内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection, ESD)は、ある程度大きな病変でも一括で完全切除ができ、外科的な胃切除術を必要としないため、治療後も治療前と全く同様の生活を送ることができます。
ただし、局所的な治療なので、胃壁外のリンパ節に転移がないことが条件となります。
胃がんは、胃の内側の粘膜上皮から発生し、徐々に深く浸潤していく病気であり、胃がんが粘膜内に限局しているうちは、リンパ節転移はほとんどないとされています。つまり、がんの深さ(深達度)が重要で、ESDは粘膜内がんに対して適応となります。
当院では消化器内科の中原と山口がESD治療を専門としています。
2018年のESD施行症例数は75例でした。
当院では腹腔鏡手術を積極的に導入しています。
腹腔鏡手術の最大の利点は傷が小さく、術後疼痛が少ない点にあります。このため入院期間の短縮が図れ、早期社会復帰が可能です。長期的には、整容性に優れており、さらに傷が小さいため癒着が生じにくく、術後腸閉塞の発生頻度は従来の開腹手術と比較して非常に少ないというメリットもあります。
しかし胃がん腹腔鏡手術は、手技が難しいため習得には経験を要します。当院では赤丸が日本内視鏡外科学会の技術認定を取得しており、安全で確実な腹腔鏡胃がん手術を実施できていると自負しています。ただし、すべての患者さまに腹腔鏡手術ができるわけではなく、胃がんの進行度と患者さまの全身状態に応じて、適応を慎重に判断しています。
当院では、 2016-18年までの3年間に胃がん切除術を160例実施し、腹腔鏡下手術割合は58%です。
進行胃がんでは、手術で肉眼的にすべて切除できたと思っていても、時間がたつと再発してくる症例をしばしば経験します。これは手術時に既に、外科的に切除できる範囲外に画像などではわからない細胞レベルの微小転移が存在し、これが時間がたって顕在化してくるためであると考えられます。胃がん治療ガイドラインでは、進行胃がんの場合は、根治切除術後1年間は抗がん剤治療を実施することが推奨されています。しかし、大型腫瘍や多発リンパ節転移を認める高度進行胃がん症例では、手術後の抗がん剤治療では、なかなか再発を制御することは困難です。当院では、このような高度進行胃がんに対して、手術前に抗がん剤治療をして腫瘍を縮小させてから根治手術を実施する、術前化学療法に特に力を入れています。術前化学療法の利点として、術前投与のほうが強力な化学療法を施行できることがあります。
胃がん領域においても、分子標的薬やオプジーボなどの新規抗がん剤が適応となり、奏効率も向上してきています。抗がん剤というと副作用を心配される方も多いと思いますが、当院では薬剤部や看護部と協力し、できるだけ負担の少ない治療を受けていただくことに取り組んでいます。
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