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看護部

内視鏡センター

はじめに

皆さんこんにちは、内視鏡センター長の荻山秀治です。2022年4月に市立池田病院に就任後、2022年度の診療実績は上部3,234、下部2,031、ERCP325、EUS237、気管支139件でした。

2023年9月に最新の内視鏡システムとスコープを導入し、より精度の高く安全な検査処置が行えるようになっております。

ESD、EMR、ポリペクトミーなどの消化管の腫瘍の治療、胆膵処置であるERCP等については内視鏡の重要な処置と考えており、当院での検査件数も近年増加しております。

正確に安全に行えるよう工夫して診察を行っており学会等にても報告を多数行っております。

 

内視鏡センター長 荻山 秀治

内視鏡センターでの取り組み

安心して受けられる質の高い検査・治療を提供します。
地域の中核となる検査施設としての役割を果たすべく、検査・治療の効率化を図ることにより、検査待ち期間を短縮し、より質の高い検査・治療が行えるように努力しています。
救急部門とも連携し、緊急検査にも迅速に対応いたします。
また、少しでも検査に対する不安感が減らせるように検査を受けられる方への心配りを心がけています。

診療内容・特徴

内視鏡検査はしんどい、つらい検査ではないかとのイメージをお持ちの方が多くいらっしゃいます。検査を受ける患者様に精神的・肉体的に負担の少ない検査となるように以下のような様々な取り込みを行っております。

1. 苦痛の少ない検査を受けていただくために

・鼻からの細い内視鏡(経鼻内視鏡)を行っております。
・鎮静剤(麻酔)を使用した内視鏡を行っております。

精密検査以外では上部消化管内視鏡に細径の経鼻内視鏡が使用でき希望者にはおこなっております。咽頭の嘔吐反射が強い方(「おえっ」となりやすい方)は楽に検査できるようになります。
また、検査室に回復スペースを設けており、軽い麻酔剤を使用した鎮静下内視鏡検査にも対応しており、多くの患者様に受けて頂いております。検査後「楽だった」とのお声をいただくことが多いです。ただし、麻酔を使用する際には検査後30分から1時間程度休憩して帰っていただき、安全のため車、バイク、自転車等の乗り物を当日控えて頂きます。

2. 不安の少ない検査を受けられるように

大腸内視鏡検査の前には下剤を飲んでいただき、腸の中を空っぽにしていただく必要があります。下剤を家で飲むのが不安な患者様には朝に来院頂き下剤を内服することも可能です。その場合前処置である下剤内服は検査室スタッフの目の届く前処置スペースで行っております。
また、当院で独自に採用している1患者1看護師制の検査案内システムにより、案内看護師と検査を受ける方がお互いを確認しあいながらミスや不安の少ない検査ができるようになっております。

3. より質の高い検査・治療をうけられるように

最新の内視鏡装置を導入し(2023年9月)、従来から行っている狭帯域光観察(NBIやBLI)による特殊光観察および拡大内視鏡精密検査処置の精度を高めています。
早期の癌に対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や大腸のポリペクトミーなどの内視鏡治療も積極的に行っています。
救急担当スタッフを共有することで、消化管出血や胆道処置等の緊急対応もスムーズに行っています。
また、多くの検査・治療は一定の流れに沿って行われるクリニカルパスによって効率的に安全に行われるように配慮しています。

ピロリ除菌後の癌の範囲が不明瞭な病変にNBI拡大観察が有用であった一例

4. 内視鏡時のピロリ検査について

2024年6月から内視鏡時の胃排液によるPCR検査(スマートジーン)を開始いたしました。この検査は、従来行っていた出血リスクを伴う生検手技による迅速ウレアーゼ試験より有用性を認めることより当院で導入致しました。
具体的には出血リスクが基本的にないこと、検査の時間短縮になること、コロナ感染で一般に認知されたPCRという精度の高い検査方法のため強力な酸分泌抑制薬内服(PPI、P-CAB)内服者でも正確に診断できるという点で優れています。また、ピロリ菌の除菌の際に問題となっているクラリスロマイシン耐性菌かどうかが同時にわかることにより効率的にピロリ菌除菌治療が行える点も有用です。

主な疾患

上部・下部消化管の良性・悪性疾患、機能性異常症胆・膵疾患
各種呼吸器疾患

診療実績

呼吸器関連検査

当院は、日本呼吸器内視鏡学会より専門病院としての認定を受け、年間約100例の気管支鏡検査を行っております。平成19年度は90例の気管支鏡検査(生検65例、気管支肺胞洗浄13例、観察および処置31例、局所麻酔下胸腔鏡検査1例)を行い、適切な診断に基づいた治療を心がけています。

医療機関の先生方へ

地域医療との連携については今以上に貢献できると考えています。より地域に開かれた検査施設として利用してもらいやすいように改善を図っていきたいと考えています。
また、若手医師に対して、内視鏡センターでは従来より複数の指導医のもとで多様な疾患に対する検査・治療が経験できるよう配慮しています。今後もこれから種々の手技を習得しようとする方にとって魅力ある施設としてあり続けたいと考えています。

診療科・部門

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市立池田病院 072-751-2881