超音波診断・治療センターでは、腹部超音波検査を中心に、甲状腺超音波検査も行っています。当院各科よりの検査依頼はもとより、地域連携登録医の先生方からの依頼にも応じています。高性能超音波装置を使用し、診断技術の向上を常に目指しています。治療は主として肝細胞癌に対するラジオ波熱凝固療法を造影超音波検査、CTと超音波検査を同期させたRealtime Virtual Sonography、人口胸水など最新技術を用いて行っています。心臓超音波検査、頚部血管超音波検査は生理検査部門で、乳腺超音波検査は乳腺・乳房再建センターで行っています。
超音波診断・治療センターでは腹部、甲状腺超音波検査を、年間約10,000件(腹部9,000件、甲状腺1,000件)を行っています。造影超音波検査も可能な高性能超音波装置3台で、日常の検査を行い、肝細胞癌に対するラジオ波熱凝固療法等は主に手術室にて治療専用の超音波装置を用いて行っています。肝細胞癌に対する治療はラジオ波熱凝固療法・エタノール注入療法を行っています。2007年1月に保険適用になったソナゾイドという造影剤を用いてラジオ波熱凝固療法・エタノール注入療法を行うことが多くなっています。これにより、今まで治療困難であった肝細胞癌に対しても治療可能になることが増えています。その他、CTやMRIと超音波画像を同期させた、Volume Navigation、人口胸水など高度な技術を用いて年間のべ41件の肝細胞癌の治療を行っています。
他にも、超音波を使って肝臓の硬さを測るVTQ(Virtual Touch Quantification)検査や、超音波減衰法を用いた脂肪肝の定量的評価UGAP(Ultrasound-guided attenuation parameter)検査も行っています。
腹部:肝疾患としては、B型・C型肝炎などのウイルス性肝疾患、肝癌などの肝腫瘍性病変、アルコール性肝疾患、脂肪肝、原発性胆汁性肝硬変などの自己免疫性肝疾患を主に検査しています。胆石、胆嚢ポリープなどの胆嚢疾患、膵臓癌などの膵疾患、その他腹部臓器(胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、骨盤内臓器、消化管 等)における疾患も検査しています。
甲状腺:甲状腺機能亢進症、慢性甲状腺炎、甲状腺腫瘍 等。
検査実績 令和4年度
腹部 :8,540件
造影 : 145件
エラストグラフィー :170件
脂肪定量:367件
甲状腺 :1,025件
当センターでは、地域の先生方からの超音波検査のご依頼に随時対応すべく、2021年3月より最新鋭の腹部超音波装置を1台増設いたしました。できる限りご依頼に対応していきたいと考えておりますので、地域医療連携室を通じてご予約ください。
超音波検査はこんな検査です
超音波検査とは、聞く事を目的としない音(2.5MHz~20MHz程度)を使って体の中を観察する検査です。
超音波は、肺や消化管では内部の空気に妨害され、また骨などの硬い組織も表面で反射されてしまうため検査は困難ですが、腹部の実質臓器(肝臓、胆嚢、腎臓、脾臓、膵臓など)では良好に伝わりますのでそれらの臓器から反射してくる音を画像として観察することができるのです。各臓器の端々まで観察する事で、何か異常や病変が無いかを調べています。
受けていただく際のお願い
食事をすると胆嚢は収縮して内部の観察が困難になります。また、胃の中に食べ物が入る事で、その背側にある膵臓が見えにくくなってしまいます。そのため検査前の絶食をお願いしています。
また、超音波が体内への通りをよくする為に腹部にゼリーを塗って検査をします。
そのゼリーが着衣に付着するのを防ぐためにタオルでカバーしますので、タオルを3枚お持ちいただいてます。
超音波検査で使用する超音波は、人体に無害な為 全身の様々な部位に繰り返し検査を行う事ができます。また、放射線被ばくがなく安全な検査ですので安心してお受けください。
検査所要時間は 腹部・甲状腺では20分程度、造影では50分程度かかります。
胆石
脂肪肝
胆嚢癌
肝細胞癌
腎細胞癌
胃癌
大腸癌
肝臓エラストグラフィー
造影US
肝臓脂肪定量 UGAP
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